職場の後輩に告白された
A real story from our community

私、斎藤美紀は、27歳のOL。大手企業の営業部で、チームリーダーを務めている。今日も、仕事に追われていた。
「斎藤先輩、これ、見ていただけますか?」
声をかけてきたのは、去年入社した後輩、田中くんだ。22歳の新入社員で、私のチームに配属されている。
「ああ、田中くん。どうしたの?」
「この企画書なんですが、もう少し改善できそうな気がして…」
私は、彼の企画書を見た。確かに、もっと良くできる部分があった。
「いい着眼点だね。ここを、もう少し具体例を入れてみたら?」
「なるほど!ありがとうございます」
彼は、素直に私のアドバイスを受け入れてくれた。こういうところが、彼の良い所だ。
「斎藤先輩、今日は、お疲れさまでした」
仕事が終わって、私がオフィスを出ようとすると、田中くんが追いかけてきた。
「ああ、田中くんも、お疲れさま」
「あの…もしよかったら、一緒に帰りませんか?」
私は、少し驚いた。でも、別に構わないと思った。
「いいよ。どこまで帰る?」
「僕は、新宿なんです」
「じゃあ、同じ方向ね」
私たちは、一緒に駅まで歩いた。田中くんは、いつもより少し、緊張しているようだった。
「斎藤先輩は、本当に素敵ですね」
突然、彼はそう言った。
「えっ?どういうこと?」
「いや、仕事もできるし、人に優しいし…僕の理想の女性です」
私は、顔が熱くなるのを感じた。まさか、後輩にこんなことを言われるなんて。
「ありがとう。でも、私なんか…」
「いいえ、本当です。僕、斎藤先輩のことが…」
彼は、言いかけて、黙ってしまった。でも、その沈黙が、何を言おうとしていたか、私にはわかった。
「田中くん…」
「すみません、変なこと言って」
彼は、俯いてしまった。私は、彼の肩を優しく叩いた。
「いいのよ。でも、私たち、職場の関係だし…」
「わかってます。でも、我慢できなくて…」
私は、彼の真剣な目を見た。そこには、本当の気持ちが、込められていた。
「ありがとう。でも、今は、仕事に集中したいの」
「はい…わかりました」
その後、私たちの関係は、少しぎこちなくなった。でも、田中くんは、プロフェッショナルに仕事を続けてくれた。
「斎藤先輩、この資料、どうでしょう?」
「うん、とても良くなったよ。田中くん、成長したね」
「ありがとうございます。先輩に教えていただいたおかげです」
私たちは、先輩と後輩として、いい関係を築いていった。
「斎藤さん、実は、田中くんのこと、気にしてるんじゃない?」
同僚にそう言われて、私は驚いた。
「えっ?どういうこと?」
「だって、いつも田中くんのこと、見てるじゃない。特別な目で」
私は、自分の気持ちに気づいた。確かに、田中くんのこと、特別に思っていたのかもしれない。
「斎藤先輩、今度のプロジェクト、頑張りましょう」
「うん、頑張りましょう」
私たちは、一つの大きなプロジェクトを任された。チームとして、一緒に働くことになった。
「田中くん、今夜は、少し残ってくれる?」
「もちろんです」
私たちは、夜遅くまで、仕事をした。でも、苦ではなかった。一緒にいると、楽しかった。
プロジェクトも、順調に進んでいった。私たちは、良いチームだった。
「斎藤先輩、これで、一区切りですね」
「うん、本当に、良く頑張ったよ」
私たちは、カフェで、プロジェクトの成功を祝った。
「実は、僕…転職することにしました」
突然、彼はそう言った。
「えっ?どうして?」
「前から、海外に行きたかったんです。でも、斎藤先輩に会えて、少し迷ってました」
私は、寂しかった。でも、彼の夢を応援したかった。
「素敵な夢だね。頑張って」
「ありがとうございます」
田中くんの最後の出勤日。私は、彼を見送った。
「本当に、ありがとうございました」
「いいえ、私の方こそ。田中くんに、いろいろ教えてもらったよ」
「斎藤先輩…いや、美紀さん」
彼は、私の手を取った。
「最後に、一言だけ。本当に、好きでした」
私は、涙が出そうになった。
「ありがとう。私も…田中くんのことが、好きだったよ」
田中くんは、海外へ旅立った。でも、私たちは、時々連絡を取り合っている。
「美紀さん、元気ですか?」
「うん、元気だよ。田中くんは?」
「僕も、元気です。新しい仕事、楽しいです」
私たちは、遠く離れても、心はつながっている。
「いつか、また会おうね」
「ええ、きっと」
今でも、私は田中くんのことを思い出す。後輩として、そして、一人の男性として。
「職場恋愛、か…」
でも、私は後悔していない。彼に出会えて、良かったと思っている。
『職場の後輩に告白された。でも、それが、私の大切な思い出となった』




