花屋の彼との、甘い香り

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花屋の彼との、甘い香り

通勤路の小さな花屋が癒しの場だった。色とりどりの花々と甘い香りに心が和む。いつしか店員の青年に想いを寄せていた。

彼は私より少し年下で、日に焼けた肌と屈託ない笑顔が魅力的。花を扱う優しい手つきに見とれてしまう日々。


ある日勇気を出して話しかけた。

「この花の名前は?」

指さした小さな白い花に「かすみ草です。どんな花とも相性がいいんですよ」とにっこり。その笑顔に胸が高鳴った。

それから毎日仕事帰りに店へ。花を一本買うのが会話の口実になった。花を介して様々な話をするうちに、優しく誠実な人柄に日に日に惹かれていった。


ある雨の日、店で小さな花束を渡された。

「雨の中来てくれたお礼に」

私の好きなかすみ草とピンクのガーベラで作られていた——好みを覚えていてくれたことに胸が熱くなった。

帰り道、彼が駅まで傘を貸してくれた。一つの傘の中で触れ合う肩、伝わる体温。鼓動が早くなる。


駅に着くと「よかったら食事でも」と誘われ、大きく頷いた。

イタリアンレストランで見せる花屋とは違う一面。新たな魅力にますます心を奪われた。

彼の部屋は花の香りに満ちていた。優しく抱きしめられ「好きです」と真っ直ぐに告白され、涙が込み上げた。


自然に唇が重なり、花の蜜のように甘く優しいキス。ベッドで一つになる。優しい愛撫に体が甘く疼く。花の香りに包まれながら幾度も求め合った。


翌朝、隣で穏やかに眠る彼に朝日が降り注ぐ。寝顔にそっと口づけした。花屋で始まったこの恋が、きっと美しい花を咲かせると確信に満たされた

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