幼馴染との、再会の夏

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幼馴染との、再会の夏

十年ぶりの故郷。夏休みを利用して田舎町に帰省した。緑の匂いと蝉時雨に心が穏やかに満たされる。

実家近くの神社で一人の青年と再会——幼馴染の大和だ。昔と変わらない悪戯っぽい笑顔だが、体は逞しく成長していた。

「久しぶり。元気だったか?」

「大和こそ。すっかり大人になったね」

昔ながらの軽口を交わし、夜に飲みに行く約束をした。


地元の居酒屋で子供の頃の悪戯や淡い恋を語り合い、時間を忘れる。店を出ると満天の星空。自然に手をつなぎ夜道を歩いた。

「なあ、ここでキスしたこと覚えてるか?」

突然の言葉に驚く。町を離れる前日の出来事——幼さゆえの別れの儀式だった。

「覚えてるよ」

「あの頃からずっとお前のことが好きだったんだ」

突然の告白に言葉を失う。私も同じ想いだったが、伝えられないまま離れ離れになったのだ。


優しく抱きしめられ、十年前の続きをするように口づけを交わす——子供のキスとは違う大人の口づけだった。

軽トラの荷台で結ばれる。星空の下、草の香りに包まれながら一つになる。少し不器用だが愛情に満ちた愛撫。十年の空白が埋まっていくのを感じた。


それから毎夜のように会い、体を重ねた。失われた時間を取り戻すかのような情熱的な日々。

ある夜、川辺で花火をした後、彼が突然真剣な顔で言った。

「ずっとここにいてほしい」

「私も大和と一緒にいたい。でも仕事が...」

「東京に戻ってもいい。週末は必ず会いに来るから」

その言葉に胸が熱くなった。遠距離でもこの関係を続けていく決心をした。


夏休み終わりに「東京に戻る」と告げると、寂しそうな顔を見せたが引き止めはしなかった。

別れの日、駅まで見送りに来てくれた。

「また帰ってこいよ」「うん、必ず」

笑顔で別れた。来夏の再会を楽しみに、私は東京行きの電車に乗り込んだ

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