大学の先生と結婚した私
A real story from our community

私、木村さくらは、26歳の大学院生。専攻は、日本文学。そして今日、私はある大きな決意を胸に、キャンパスを歩いている。
「木村さん、論文の方、どうですか?」
声をかけてくれたのは、私の指導教員、田中教授だ。45歳の独身で、学界では有名な学者だ。
「はい、なんとか進んでいます」
「そうですか。来週、研究室で話をしましょう」
田中教授は、優しく微笑んだ。私は、その笑顔に、胸が高鳴るのを感じた。
「さくらちゃん、また田中教授のところに行くの?」
友人の美香にそう言われて、私は顔を赤くした。
「う、うん。論文の相談で…」
「でも、最近、頻繁に行きすぎじゃない?もしかして、教授のこと…」
「ち、違うよ!単に、尊敬してるだけ」
私は、慌てて否定した。でも、心の中では、自分の気持ちに気づいていた。
研究室で、私は田中教授と、論文について話していた。
「木村さんの研究は、とても面白いですね」
「本当ですか?」
「ええ、あなたには、学者としての才能があります」
私は、嬉しかった。田中教授に認めてもらえたことが。
「実は、私も、あなたのこと…」
突然、教授の言葉が途切れた。私は、驚いて、顔を上げた。
「いえ、なんでもありません」
でも、その時の教授の表情は、何かを訴えかけているように見えた。
「さくら、実は、私…田中教授のことが、好きみたい」
一人の夜、私は日記にそう書いた。でも、それが叶うことは、ないと思っていた。
先生と学生。それに、20歳も年の違う二人。そんな恋が、許されるはずがない。
「木村さん、卒業後の進路は、決まっていますか?」
ある日、教授はそう尋ねた。
「はい、大学に残って、研究を続けたいと思っています」
「そうですか。実は、私も、あなたには、そうしてほしいと思っていました」
私は、驚いた。教授も、私のことを望んでいてくれたのだ。
「でも、私には、もう一つ、伝えたいことがあります」
教授は、真剣な表情で、私を見つめた。
「私は、あなたのことを…」
「私は、あなたのことを、愛しています」
突然の告白に、私は言葉を失った。
「先生…でも、私たち…」
「わかっています。でも、これは、私の本音です」
私は、自分の気持ちに素直になった。
「私も…先生のことが、好きです」
私たちの関係は、秘密のうちに続いた。でも、やがて、周囲にバレてしまった。
「田中先生!それは、教育上、問題です!」
大学は、大騒ぎになった。教授は、辞職を迫られた。
「私は、木村さんと結婚します」
教授は、そう宣言した。私は、驚きと喜びで、涙が出た。
私たちは、大学を辞めた。でも、後悔はしていなかった。
「さくら、本当にごめんね。君の前途を…」
「いいの。先生と一緒なら、どんな道でも歩いていける」
私たちは、小さな町で、結婚生活を始めた。
「奥さん、今日の夕飯、何ですか?」
「カレーよ。先生の好きなやつ」
私は、主婦としての新しい生活に、満足していた。
「もう、先生じゃないだろ?ダーリンと呼んでくれ」
「わかったわ、ダーリン」
私たちは、平凡だけど、幸せな日々を送っていた。
「さくら、実は、私…また大学で、教えることになった」
「本当?それは、素晴らしい!」
教授は、遠方の大学から、招きがあったのだ。
「でも、君は、どう思う?」
「私は、ダーリンの夢を応援するわ」
私たちは、新しい町へ引っ越した。
「奥様、こんにちは」
新しい町でも、私たちは、穏やかな生活を送っていた。
「今日は、どんな一日だった?」
「学生たちも、良く頑張ってくれているよ」
私は、教授の妻として、そして、一人の女性として、満ち足りていた。
「さくら、君に、感謝している」
「どうして、突然?」
「君がいてくれて、私は、本当に幸せだ」
私は、微笑んだ。私も、同じ気持ちだった。
「私もよ、ダーリンと出会えて、幸せ」
今でも、時々大学のキャンパスを歩く。
「あの時、私たち、大変だったね」
「うん、でも、それがあったから、今がある」
私たちは、手をつないでいる。年の差も、周囲の反対も、私たちの愛を変えることは、なかった。
『大学の先生と結婚した私。それは、困難な道だったけど、今は、誰にも譲れない幸せ』




