元カレとの、一夜限りの過ち

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元カレとの、一夜限りの過ち

雄介と別れて一年。些細なすれ違いが積もった別れだったが、心の奥では未練が残っていた。共通の友人の結婚式で再会した時、タキシード姿の彼は以前より大人の風格を纏っていた。

目が合うたび気まずく視線を逸らし合い、どう接すればいいか分からず遠くから見つめるだけだった。披露宴後、二次会へ向かう途中で彼に呼び止められた。

「久しぶり。元気だったか?」

「まあね。雄介は?」

ぎこちない会話だが、その声に胸が締めつけられる。


二次会では友人に勧められ隣り合わせに。昔話に花が咲くうちに、付き合っていた頃の距離感が自然と戻ってきた。酒とノスタルジーで心が大きく揺れた。

二次会後、二人きりでバーへ。窓の外に広がる夜景を眺めながら杯を傾ける。

「なんで俺たち、別れちゃったんだろう」

ぽつりと零れた言葉で心の堰が決壊した。

「バカね…」

涙が止まらない。彼は黙って抱きしめてくれた。懐かしい胸の匂いに安堵が広がる。


自然と彼の部屋へ。ドアが閉まる音と同時に激しく求め合った。一年の空白を埋めるように唇を貪り、衣を剥ぎ、肌を重ねた。

彼の身体は私の全てを覚えていた。弱さと悦びを呼び覚ます場所を正確に刺激する指。幾度も彼の名を叫びながら快感の波に溺れた。

「お前じゃなきゃダメだ」

深く囁かれた言葉が本心かその場の戯れか——今は確かめる必要もなかった。ただその熱を感じたかった。


夜明けまで幾度も絡み合った。復縁の誓いではなく、孤独を癒し合う一夜限りの過ちと分かっていた。

翌朝、彼が眠っている間にそっと部屋を出た。「ありがとう」のメモを残して。これで終わりだと自分に言い聞かせた。

それでも肌に残る温もりと匂いは消えない。これは過ちだったのか、運命の再会だったのか——答えはまだ見つからない

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